キーボードニーモニックの設定

ラジオボタンに対してキーボードニーモニックを設定する方法を確認します。キーボードニーモニックとはラジオボタン一つ一つに特定のキーを割り当て、そのキーが押されたらラジオボタンがクリックされたのと同じ扱いをするものです。

ラジオボタンにキーボードニーモニックを設定するにはJRadioButtonクラスの親クラスであるAbstractButtonクラスで定義されているsetMnemonicメソッドを使います。

setMnemonic
public void setMnemonic(int mnemonic)

現在のモデルにキーボードニーモニックを設定します。ニーモニックは、フォーカスがこのボタンの
上位ウィンドウのどこかにある場合に、Look & Feel のマウスなし修飾子 (通常は Alt) と組み合わ
せて、このボタンを有効化するキーです。

ニーモニックはキーボード上の 1 つのキーに対応している必要があり、java.awt.event.KeyEvent 
で定義される VK_XXX キーコードのどれかを使用して指定します。大文字、小文字は区別されないた
め、対応するキーコードのキーイベントは、Shift キーが押されているかどうかにかかわらず、ボタ
ンを有効化します。

ニーモニックで定義されている文字がボタンのラベル文字列にある場合は、その最初の文字に下線が
付けられ、ニーモニックであることをユーザーに知らせます。

パラメータ:
  mnemonic - ニーモニックを表すキーコード

引数にはチェックボックスに設定したいキーを表す値を指定します。値はint型の数値で指定しますが、指定できる値は java.awt.event.KeyEventクラスで定義されています。キーボード上のキーに対応する値がほとんど定義されていますが数が非常に多いので数値とアルファベットだけご紹介します。

数値：
KeyEvent.VK_0 から KeyEvent.VK_9

アルファベット：
KeyEvent.VK_A から KeyEvent.VK_Z

例えば「KeyEvent.VK_A」を設定した場合、ALT＋「a」を押すとニーモニックが設定されたラジオボタンが押された状態になります。(大文字小文字は関係ないのでALT＋「A」でも同じです)。

実際の使い方は次のようになります。

JRadioButton radio = new JRadioButton("ラジオボタン");
radio.setMnemonic(KeyEvent.VK_N);

なお、ニーモニックに設定した文字がラジオボタンの文字列に含まれている場合には、ラジオボタンに表示されている文字列の該当の文字の下にアンダーバーが表示されます。またニーモニックに設定した文字がラジオボタンに複数含まれている場合は、最初に現れた文字にだけアンダーバーが表示されます。

サンプルプログラム

では実際に試してみます。

SSample14_1.java

import javax.swing.JFrame;
import javax.swing.JPanel;
import javax.swing.JRadioButton;
import javax.swing.ButtonGroup;
import java.awt.Container;
import java.awt.BorderLayout;
import java.awt.event.KeyEvent;

class SSample14_1 extends JFrame{
  public static void main(String args[]){
    SSample14_1 frame = new SSample14_1("タイトル");
    frame.setVisible(true);
  }

  SSample14_1(String title){
    setTitle(title);
    setBounds(100, 100, 300, 250);
    setDefaultCloseOperation(JFrame.EXIT_ON_CLOSE);

    JPanel p = new JPanel();

    JRadioButton radio1 = new JRadioButton("Orange");
    radio1.setMnemonic(KeyEvent.VK_O);
    JRadioButton radio2 = new JRadioButton("Apple");
    radio2.setMnemonic(KeyEvent.VK_A);
    JRadioButton radio3 = new JRadioButton("Banana");
    radio3.setMnemonic(KeyEvent.VK_N);

    ButtonGroup group = new ButtonGroup();
    group.add(radio1);
    group.add(radio2);
    group.add(radio3);

    p.add(radio1);
    p.add(radio2);
    p.add(radio3);

    Container contentPane = getContentPane();
    contentPane.add(p, BorderLayout.CENTER);
  }
}

ではコンパイルを行った上で実行してみます。

3つのラジオボタンを表示しています。各ラジオボタンにはキーボードニーモニックが設定してあり、対応する文字の下には下線が表示されています。 3つ目のラジオボタンのように対象となる文字が複数含まれている場合には最初の文字の下に下線が引かれます。

ではALT＋「A」を押してみます。

対応する中央のラジオボタンが押されたのと同じ扱いになります。続いてALT＋「N」を押してみます。

対応する右のラジオボタンが押されたのと同じ扱いになります。

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